習い事ナビ 2022.05.11
【調査結果】小学校でのプログラミング必修化。教師の〇割がプログラミング教育に手ごたえを感じていないと回答⁉
投稿者: ノビルコスタッフ
リトルソフト株式会社は、全国の小学校教師(教員)を対象に、「プログラミング教育必修化」に関する調査を実施した。
プログラミング教育の必修化で、約〇割の教師が負担が増えたと回答
「プログラミング教育が必修化前は、どのくらいプログラミングの知識をお持ちでしたか?」と質問すると、『専門的な知識を持っていた(21.0%)』『教育に必要な知識は持っていた(45.0%)』『あまり持っていなかった(23.5%)』『まったく持っていなかった(10.5%)』という結果となった。
必修化になる前に既にプログラミングの知識を持っていたという教師が多い一方、そうではない教師の割合も少なくはないようだ。
では、従来の授業にプログラミングを交えた教育方法が必修化となったことで、どのくらい負担が増えたのだろうか?
「プログラミング教育の必修化により、授業にかかる負担はどのくらい増えましたか?」と質問したところ、『大きく負担が増えた(32.7%)』『やや負担が増えた(54.8%)』『変わらない(10.5%)』『負担は減った(2.0%)』という結果となった。
負担が増えた(大きく負担が増えた、やや負担が増えた)の割合が合計で9割近くとなったことで、いかにプログラミング教育の必修化が教師に大きな負担を与えているのかが分かる結果となった。
負担を感じる理由にはどのようなものが多いのだろうかか。
前の質問で『負担が増えた』と回答した方に、「プログラミング教育の必修化により、最も大きな負担を感じているのはどのような点ですか?」と質問したところ、『教科内容の理解や指導計画など準備が大変な点(45.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『情報機器(端末)の操作を覚える必要がある点(23.6%)』『教材やカリキュラムなど用意することが大変な点(22.2%)』と続く。
主に、授業の事前準備が大きな負担になっているようだ。
また、これまで使ったことのない情報端末の操作方法を覚えなければならないといった点にも負担を感じている教師が多いことが分かった。
教師の約〇割がプログラミング教育に手ごたえを感じていないと回答
「現在行っているプログラミング教育に手ごたえを感じていますか?」と質問したところ、7割以上の方が『大きな手ごたえを感じている(14.7%)』『ある程度の手ごたえを感じている(55.7%)』と回答した一方、3割近い教師が『あまり手ごたえを感じない(25.9%)』『まったく手ごたえを感じない(3.7%)』と回答した。
手ごたえを感じた教師は、どのような理由でそう思ったのだろうか。
前の質問で『手ごたえを感じている』と回答した方に、「児童のどのような様子を見て、手ごたえを感じましたか?(上位5項目まで)」と質問したところ、『プログラミングを体験しながら学習活動ができている(56.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『プログラミング的思考(論理的思考力)が身についてきている(37.3%)』『文字入力などの基本的なPC操作が習得できている(37.2%)』と続いた。
小学校の新学習指導要領では、「児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動」と「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」の2つの学習活動が定められている。
指導要領に沿って進めることができた結果、概ねそのような“手ごたえ”を感じたようだ。
では、手ごたえを感じていない教師は、どのような理由があったのだろうか。
先程の質問で『手ごたえを感じない』と回答した方に、「手ごたえを感じていないのは、どのような理由ですか?(上位5項目まで)」と質問したところ、『プログラミング教育を行う環境に不備があるから(39.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『自分が納得できるプログラミング教育ができていないと思うから(35.0%)』『児童が成長している実感が湧かないから(30.4%)』と続いた。
プログラミング教育を行うための環境に不備があるというのは、根本的な部分の課題だといえるかも。
プログラミング教育の課題は『教師』と『環境』
指導する教師についての課題は、どのくらいあると思いますか?」と質問したところ、『大きな課題があると思う(40.8%)』『やや課題があると思う(55.1%)』『課題はないと思う(4.1%)』という結果となった。
ほとんどの教師がプログラミング教育を行う教師自身に課題があることを実感していることが明らかになった。
では、課題があるのはどのような点なのだろうか。
前の質問で『課題があると思う』と回答した方に、「教師がプログラミング教育を行う際、課題があると感じるのはどのような点ですか?(上位5項目まで)」と質問したところ、『具体的な授業の進め方や指導方法などが決まっていない点(51.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『プログラミングを使った授業に不慣れな点(42.2%)』『プログラミングを指導するための教員研修プログラムが稚拙な点(42.2%)』と続いた。
まとめ
今回の調査で、小学校のプログラミング教育の必須化に関して、2つの課題が明らかになった。
プログラミングに関する知識はあるものの、指導すること自体に慣れていない教師が多く、指導する教師への教育がまだ整備、浸透できていないようだ。
それにより、ほとんどの教師が負担が増えたと感じているようなので、教師への指導も早急に対策が必要かも。
また教育環境の不備といった根本的な課題もあることが分かった。
調査結果
調査概要:「プログラミング教育必修化」に関する調査
<調査期間>
2022年2月14日(月)~2022年2月16日(水)
<調査方法>
インターネット調査
<調査人数>
1,024人
<調査対象>
全国の小学校教師(教員)
<モニター提供元>
ゼネラルリサーチ
ノビルコで関連する習い事を探す