習い事ナビ 2015.09.14
【コーチインタビュー#5】親と子が共にリフレッシュできる、親子の絆を深めるヨガ(半田千枝コーチ)
投稿者: 齋藤純子
ご自身の子育ての経験から、親子のためのヨガをはじめた半田千枝(はんだゆきえ)さん。月ヨガをベースに食やアロマテラピーのエッセンスも加え、親子がくつろげるレッスンを心がけているそう。
子育て中のママのために何かできないか。その思いから親子ヨガに
ヨガのレッスンをはじめてみようと思ったのは、2人目の子がお腹にいるときです。第一子のときは、ごく普通に産休育休を経て勤めていた一般企業に職場復帰しました。そのときに、自分の中で、子育てをしたいのに働いているって何だろう? と、違和感のようなものがあったんですね。それが何か考えたところ、親子のための支援をしたいという自分の思いに気づきました。
親子支援として、私に何ができるのか。いつか自分の思いを仕事にしたい。そう考えながら2人目妊娠中は資格取得に励みました。野菜ソムリエやベビーマッサージのインストラクターなどとともに親子ヨガ(親子DEヨガ/目黒区子育て応援団体マンマの会)のトレーナー資格を取得しました。
以前にエスティティシャンとして働いていた経験があったので、マッサージなどのリラックスできる場を提供することが私にできることなのでは、と思うようになっていました。アロマテラピーやベビーマッサージの資格も持っているので、それらを活かせる方向で考えたところ、親子ヨガにたどり着きました。
親子ヨガのレッスンは、昨年の6月から、私ともう一人の女性コーチの2人体制で行っています。彼女も子育て経験があるので、参加したお子さんがぐずってしまうようなとき、どちらかがその親子のサポートにあたります。親子ともにリラックスして過ごせる場でありたいと考えています。
子も親もいっしょにケア
親子ヨガのレッスンは、ヨガの実践の他に、子どもの心をケアや、絵本の読み聞かせ、リトミックなどに通じる要素があります。子どもの年齢にあわせて行い、子どもが小さいほど母親の心身の産後のケアに重きをおきます。
ヨガの優れた点はいろいろとありますが、ヨガのポーズをとるだけで、その子に必要な深層筋が鍛えられるというところにとても魅力を感じています。
意識している以上に多くの筋肉を使うので、自分のイメージを超えた効果がある。子どもの場合は脳の活性化や、姿勢・呼吸が整い情緒の安定にもつながると言われています。親子ヨガのように、親子で同じポーズをすることは、子どもと親の間に一体感が生まれ、心のつながりも強まります。
子どもに届く方法で
子どもは大人に比べ手足が短いため、大人のようにできないポーズもあります。その場合は、近いポーズになるよう、お母さんやお父さんに体に触れながら手伝ってもらうようにしています。自然なかたちでの親子のスキンシップもはかれます。
また、子どもは大人より集中できる時間が短いので、大人には無い要素も加えて教えています。3歳くらいの小さい子は、人や動物の動きを真似るのが好きだったりするので、動物のパネルを出して「この動物はどんなポーズかな?」と真似っこしたり、クイズ形式にしたりも。飽きずに楽しみながらヨガに取り組めるよう工夫しています。親メインの時間約30分に対し、子どもメインの時間は約20分です。
一方で、子どもの方が得意なこともあります。ヨガは呼吸と連動するので、呼吸を止めずポーズをとることが基本です。大人の場合、慣れていないとつい呼吸が止まりがちですが、子どもの肺は発展途上にあるために自然な腹式呼吸が行われ、上手に動きに息をあわせることができます。
子どものヨガでは、ポーズをその通り再現することよりも、自分の体の感覚に気づいてもらうことを大切にしています。自分の中にある感覚を認めることは、自尊心を育てることに繋がります。
変化する子どもや自分の体を感じられるように、カルテを作成
毎回ヨガの後に、個人のカルテを作成しています。
カルテには、その日扱ったポーズ全種類と、その日のヨガの様子、そのポーズの好き嫌い、嫌いな場合はなぜ嫌いなのか、その日の体調などを記入します。また、毎回テーマを決めて使用しているアロマオイルのブレンド内容、レッスン中に出したハーブティの種類とその役割についても書き添えています。もう1人のコーチがお茶に詳しいので、ハーブティについては彼女が、アロマオイルについては私が選定しています。また、私自身の野菜ソムリエの経験から、旬の野菜や食材や美容と健康に役立つ情報もご紹介しています。「女性として妻として母として輝ける自分」であることを認められるママであって欲しいという私たちの思いからです。
習字やガールスカウトの経験が、今に繋がっている
私が子ども頃は、親と一緒の習い事というのはあまりありませんでした。私自身も、習い事はピアノや習字といった一般的なものです。
習字は、墨の香りが好きだったことを覚えています。何かに集中して取り組みたいときは、和室に籠って書いていました。今思うと、アロマテラピーのように香りが集中力を高める役割を持っていることを、その頃から何となく気づいていたのかもしれません。
習い事とは言わないかもしれませんが、小学2年生から中学3年生まで、ガールスカウトに所属していました。年齢や学年の違う女の子たちとキャンプなどの野外活動をしたので、幅広い年齢の人たちとのコミュニケーションの取り方について、学べたように思います。
親子の支援をしたい、誰かの役に立ちたい、という思いも、ガールスカウト時代の経験が約にたっているのかもしれません。以前の仕事であるエスティティシャンも同じ流れからきているように思います。
おかげさまで親子ヨガは、不定期な開催ながらも口コミで広がり、多くの方に利用いただいています。
最近はパパがいらっしゃることも。ヨガを習いたくても女性が多い世界なので、恥ずかしいと思う男性も少なくないようです。親子ヨガであれば、子どもとのコミュニケーションのためにという理由がつくので、参加しやすいと感じられるみたいですね。
親子ヨガのレッスンを積み重ねていく中で、もっとヨガを沢山の子どもたちに親しんで欲しいという思いが強くなっています。
ヨガというと、女性や大人ものというイメージがあります。親子でヨガを楽しむことで、自分と一生をともに過ごす「自分のからだ」を親子で意識し、自分自身の体の専門家になってもらえれば……と考えています。
<取材・文/齋藤純子>
■お話しを聞いて……
子育て中のママに何かできることがあれば……。半田さんの根底の思いが、お話しを聞いてとても強く伝わってきました。レッスン毎に用意されるヨガのポイントを、カルテと呼んでらっしゃるところにも、癒すための何かを提供したい、という気持ちが表れていると感じました。
