習い事ナビ 2015.07.23
【コーチインタビュー#2】音階のある打楽器「マリンバ」だから、音感もリズム感も伸ばせる(渡邊まやコーチ)
投稿者: 齋藤純子
国立音楽大学3年生の渡邊まやさん。専門としている楽器はマリンバ。ローズウッドなどの木でできた鍵盤を叩くと音が出る、木琴のような楽器です。マリンバを習うことでどのようなことを学べるのでしょうか。マリンバの魅力についてお話しをうかがいました。
「音感」のために、小さい頃から音楽を
マリンバは、ピアノと同じ並びの鍵盤があり、ドレミなどの音階で曲を奏でます。おもちゃのピアノなどを触ったことがあるお子さんにとっては、なじみ易い楽器だと思います。
楽器を習うと「絶対音感」が身に付くのでは? とよく聞かれます。絶対音感は、どの音が「ド」であるか音を聞くだけでわかる能力のことですが、小さい頃から鍛えることで、その能力がアップすると言われています。
絶対音感は、音楽の世界を目指す人だけでなく、音楽を楽しみたいすべての人にとって役に立つ能力です。自分が好きな曲を、いわゆる「耳コピ」して歌ったり踊ったりすることに繋がるので、歌うのが好き、音楽にあわせて踊るのが好き、といったお子さんにおすすめです。もちろん、学校の音楽の授業でも役立ちます。
マリンバは打楽器。叩くことでリズム感も養える
マリンバは、打楽器の一種です。ドラムなどの他の打楽器と同様に、叩くことで音が出ます。マレットという、毛糸などを先端に巻き付けた専用の棒で叩くのですが、連打や強弱によって、様々な音色が生まれます。一定のリズムで連打することも多いので、リズム感も必要になります。
大学では、マリンバだけでなく、打楽器全般を学んでいます。カスタネット、トライアングル、マラカスも打楽器なので、マリンバ以外に興味がある打楽器があったら、一緒に練習しましょう。
打楽器それぞれの特徴をとらえてレッスンすることで、より音感・リズム感を養うことができます。
この曲が弾きたい! 好きな曲からはじめよう
「レット・イット・ゴー」や「妖怪体操」など、自分の弾きたい曲をリクエストしてください。私がまずお手本を見せるので、それにあわせて鍵盤を叩くことからはじめます。
マリンバ用の曲も沢山ありますが、まずは自分の好きな曲からスタートできればと思っています。
私もそうですが、好きな曲だとモチベーションが上がります。好きな曲は気持ちを込めやすいですし、その気持ちはマリンバの音となって表れます。気持ちを込めて演奏することで、より多くの人に曲の持つメッセージを届けることができます。
子どもの頃習ったパントマイムで表現に奥行きが
私が打楽器に出会ったのは小学4年生の頃。音楽クラブでドラムを演奏する先輩にあこがれて、まずはドラムをはじめました。マリンバに出会ったのはもっと先で、中学に入ってからです。こんなふうに和音を奏でる楽器があるんだと感動し、吹奏楽部でマリンバを担当させてもらったことがスタートです。
小学生の頃はピアノと水泳の他、パントマイムも習っていました。パントマイムをはじめたのは、高学年の頃に大道芸の演技に一目惚れしたことがきっかけです。
パントマイムは音を出さずに表現するという、音楽とは正反対の表現方法です。今思うとあのときパントマイムで異なる表現に出会えたことが、今のマリンバの演奏に繋がっているように思います。
演じるように、叩く。音楽で気持ちを伝えることができる
海外のオーデションなどに参加すると、私も含め日本人の表現力不足に気づかされます。体全体で曲を表すこと。悲しい曲であれば体全体から悲しみを表すことで音にもその表現がのってくる。女優さんが演技をするように演奏することで、はじめて伝わることもあります。
自分の経験したことすべてが表現の糧となります。できれば一つの習い事だけでなく、様々なレッスンを受けて、見せ方の幅を広げてもらいたいですね。
そして音楽を通じて表現することの楽しさを、私のレッスンによって気づいてもらえたらと思っています。
<取材・文/齋藤純子>
■お話しを聞いて……
現役の音大生でありながら、子どもたちに音楽の素晴らしさを伝えたいとコーチに登録してくれた渡邊まやさん。子どもへの接し方が自然で、いつか「ディズニー・オン・クラシック」の舞台にも立ちたいとおっしゃっていたほどディズニー好き。子どもたちと一緒に楽しそうにディズニー関連の曲を演奏している姿が印象的でした。
