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習い事ナビ 2017.06.1

【インタビュー】 立川談志が弟子を叱った後にかけた言葉とは? 師弟関係から学ぶ子育ての秘訣

投稿者: ノビルコ編集部

インタビュー コラム ニュース


 

「子どもは世間からの預かり物」

落語家の立川談慶(たてかわ・だんけい)さんは、2人の息子を育てていく過程でそんな風に考えるようになったという。では親は「預かり物」である子どもに何をしてあげることができるのか? 子育てにおいても「論理」を大切にしているという談慶さんにvol.1「コーチ、親は必見!落語の力でクラスが湧く!大切なのは「喋り方」じゃなかった!? 」に続き、話を聞いた。 

 

親は子どもの人生のすべてを見届けることはできない

――2人の息子を持つ父として、談慶さんご自身は「子育て」ことをどんな風に捉えていますか。

 

江戸時代に仙厓和尚という禅僧がいたんですが、その人が残した「親死ぬ、子死ぬ、孫死ぬ」というおめでたい言葉があるんです。「死ぬ」のどこがおめでたいんだ、って思うでしょうけど、親が死んで、子が死んで、孫が死んで、と順に人生を終えていけるんなら、これ以上のめでたいことはない。むしろ、子どもの人生をすべて見届けてしまった親なんて不幸じゃないですか。親は子どものすべてを見届けることはできない。

子育てをしていく中でその逸話を思い出したとき、「この子の人生は、この子のものなんだ」と実感したんですね。と同時に、息子・娘を育てる親は「この子を預かっている」という感覚を持つべきなんじゃないか、とも感じた。だから自分が死んだ後も、この子たちがちゃんと生きていけるような力を身につけさせる、手間をかけるのが親としての務めじゃないかなと考えています。預かったものはお返ししないと失礼にあたるでしょう。

だから親は手間をかけることを惜しんじゃいかんと思いますよ。コミュニケーション、会話の積み重ねですよね。例えば、「お金渡すからコンビニ行ってお昼買ってきて食べて」というのもたまにならいいけど、そういうのが日常になっちゃうとやっぱりお互いのためによくない。できれば家族でごはんを作って、会話を楽しみながら一緒に食べるのがいいですよね。忙しくて時間がないなら、一緒に店に行って話をしながら食べればいい。お金だけ出して「あとはいいでしょ」というのはね。

 



 

――何気ない会話を通じて、子どもが今何を考えているのか、どんなことが楽しいのか、とかそういう変化を日々感じ取っていくのが大切だ、と。

 

そうですね。あとこれは師匠談志から教わったんですが、怒るときは「お前の行動に対して怒っているのであって、お前の人格に対して怒っているんじゃないんだ」ということは明確にしたほうがいいですよね。子どもの人格を丸ごと怒っているんじゃなくて、そのときの行動をよくないと言っているんだ、としっかり伝えてあげるのも大事だと思いますね。

 

 

誰でも参加できる「論理」で公平なアプローチを

――「伝える」「教える」立場にいる人は、どんなことを心がけるべきでしょうか。

 

「論理」じゃないでしょうか。理詰めであること。ついこないだ、スタンダップコメディアンの清水宏さんが「ロジカルは公平、キャラはファシズムだ」って言ってたんですが、その通りだなと思って。ロジカル、論理の笑いってすごく公平なんですよ。なぜなら理詰めで考えていけば、誰もが参加できるものだから。でもキャラの笑いは「わかんねえヤツはダメなんだ」という横暴さ、相手の論理を認めない傲慢さがあるでしょ? それは子育てや、人にものを教える態度とも通じるところだと思う。

そりゃあ子育てをしていれば、「ダメなもんはダメだ」っていう局面もときにはありますよ。でもいつもそれじゃあいけない。「僕はこういう組み立てで考えてるんですけれども、あなたはどうですか」というアプローチなら、相手も「ここはちょっと違うと思う」と否定することができますよね。ある年齢を越えたら、理詰めで伝えていかないと。でないと世の中に出たときに通用しないでしょう。

子どもに何かを教える立場にある人は、「子ども相手」という意識を捨てて、まずは「人」として、ときに「大人として」接することが大事。笑顔で子どもの話をよく聞く。しっかり相槌を打って話を聞いてくれる人の口から出た言葉なら、相手も聞いてみようかという気になれるんです。コミュニケーションの究極の目的は、信頼を得ることなんですよ。信頼関係さえ築くことができれば、「バカだな、お前は」という言葉でも褒め言葉になりうるんです。

ちょっと話は変わりますが、私はウェイトトレーニングに凝り始めてもう10年近く経つんですね。で、筋肉をつけていくためには、コツコツとトレーニングを積み重ねていく。もうこれしか方法がないんです。この「積み上げていく」というプロセスは、落語家も、教師も、どんな職業の人でも同じだなと思うんですね。

 

――信頼や経験は、地道に「積み上げていく」しかないんですね。

 

そう。ただし、この構図は逆のことも言えるんです。誰かの悪口を言うような毎日をコツコツ積み重ねていくとどうなるか? まわりに誰もいなくなるんですよ。

 
<取材・文/阿部花恵>
 

vol.3は「【インタビュー】親の一言が子どもの人生を変える? 落語の「ボケ」から学ぶ子の才能を伸ばす方法」です。お楽しみに!

 

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お話をお聞きした人
立川談慶(たてかわ・だんけい)
1965年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、(株)ワコールに入社。3年間のサラリーマン時代を経て、91年に立川談志の18番目の弟子として入門。2000年に二つ目昇進、05年に真打昇進。数多くの独演会はもちろん、企業で「会話力」「コミュニケーション論」などのテーマで各種講演も行う。『大事なことはすべて立川談志に教わった』『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』など著書多数。
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