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習い事ナビ 2017.06.8

【インタビュー】親の一言が子どもの人生を変える? 落語の「ボケ」から学ぶ子の才能を伸ばす方法

投稿者: ノビルコ編集部

インタビュー コラム ニュース

 

慶應義塾大学卒業後、一部上場企業へ新卒入社。だが3年後には、人が羨むキャリアをあっさり投げ捨てて芸の道へ――。

本業の落語はもちろん、文才でも知られる立川談慶(たてかわ・だんけい)さん。幼少期に経験したおかげで受験勉強にも役立ったという習い事は? そして子を持つ親は「ボケるべき」という理由とは? 「壇上」に立つ人の心構えについて聞いた。


 

「東大行きたい」という子のボケを親は全力で受け止める

 

――ご自身は幼少期に何か習い事をされていましたか?
 
母親がそろばん教室の先生だったんですよ。だから小学生になったらそろばんは否応なくやらされて、2級までは取りましたね。おかげで集中力が身につきましたよ。10分で20問を解く、というような訓練を繰り返しやったおかげで脳が鍛えられたのかな。受験で役立つ集中力、暗算力にもつながったんだと思います。数学の微分にも役立ちましたよ。それ以外にも野球、柔道、サッカーなんかもやっていましたね。

だから子どものうちはいろんな経験をすべきですよね。もちろん向いてないものもあるでしょう。でもそれだって、やってみないとわからない。でもひとつだけ、野球を始めたばかりのわが子が「僕もダルビッシュみたいになりたい」と言い出しても、親は絶対に否定しちゃいけません。

お笑いの世界でいうと、「ダルビッシュみたいになる」「東大行きたい」っていうのはボケなんです。それに対して「お前がなれる/行けるわけねーだろ」って言うのがツッコミ、つまり世間一般の常識とされているもの。キングコング西野さんは「ツッコミはバカ」という名言を吐きましたが、それに沿うなら私は「ボケは冒険」と言いたいのです。

もし子どもが「東大行きたい」って言い出したら、親は「ハーバード大学はどう?」と返せばいい。大人からしてみれば無謀なボケと思われるような言葉も、まずは受け止める。そうすれば子どもは驚くほど伸びていくはずです。大人の一言ってすごく大きな影響力があるから。

 

――ご自身もそういう経験がありましたか?
 
小学生のとき、将来の夢を「パイロットになりたい」って書いたことがあるんですよ。そうしたら学校の先生が「いいね、大空に夢を馳せる仕事だね」と言うから「違います。ひとりで死ぬのが怖いから」って返したんですね。憎たらしい子ですよねぇ(笑)。普通の先生だったら怒りそうなもんですけど、その先生は「君、落語家みたいねえ!」と笑ってくれて。あのときの「自分を肯定してもらえた」っていう嬉しさは今も憶えています。

まずは否定する、って日本人の悪いクセですよね。脳科学者の先生から聞いたんですが、日本という国は昔から地震もあるし、台風の通り道だしで、とにかくマイナスに、悲観的に物事を考えておくという発想が根本にあるそうなんですね。でも子育てにおいては、それはよくない。「親に否定されても自分の意志を貫く」みたいな気概も必要だけれども、それは後から身につけていくもの。子どものやる気、冒険心に、最初から常識というツッコミをいれちゃだめですよ。

 

 

教えることは傲慢なこと、その自覚を常に持っておく

 

――最新刊『落語家直伝 うまい! 授業のつくりかた』(誠文堂新光社)の担当編集者の言葉を借りると、談慶さんは「難しいことを、わかりやすく噛み砕いて教える達人」だそうですが、ノビルコは個人コーチ、講師の方にも読まれているサイトです。アドバイスをいただけますか。
 

恥をかくことを恐れない、でしょうか。失敗して恥をかいた経験は、全部後々の財産ですよ。見方を変えれば地下資源を手に入れたようなもの。失敗は財産、データの集積と捉えればいい。そうすると落ち込む必要なんてないでしょう。

あとは自信を持つことですね。「自分に自信がない」と思い込んでいる大人は多いけど、人にものを教えよう、と思っている段階で、その人はすでに自信を持っているんです。ガスでいったら基本料金はもう払っているのと同じこと。私はそれを「第一自信」って名付けたんですけど、そこの上に「第二自信」を積み重ねていくって考えたほうがいいんじゃないでしょうか。そこからはもう地道な努力しかない。どの業界の人もみんなそうなんじゃないでしょうか。

もうひとつ、教える側の人間は心の柔軟性も大事だと思います。路傍の花を見てふと涙が出て来るような瞬間ってあるじゃないですか。そんな風に、子どもが言った何気ない一言に「おお、すごいな!」と思える感性は絶対に大事。子どもから教わることだってたくさんありますから。自信満々になって、「この世界では俺が天下一だ」と思っちゃったらもうアウト。

子どもや自分よりキャリアが浅い後輩からも、学ぶことはたくさんあるはず。だから心を柔らかくして、常に耳をすませておく。そういう姿勢が大事だと思いますよ。人に教える行為って実はすごく傲慢なことでもありますから。

 
<取材・文/阿部花恵>
 
 

立川談慶さんインタビュー

vol.1「コーチ、親は必見!落語の力でクラスが湧く!大切なのは「喋り方」じゃなかった!? 」
vol.2「立川談志が弟子を叱った後にかけた言葉とは? 師弟関係から学ぶ子育ての秘訣」
 

 

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落語家直伝うまい! 授業のつくりかた

立川 談慶 (著), 玉置 崇 (監修)
誠文堂新光社 1,800円(税別)

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お話をお聞きした人
立川談慶(たてかわ・だんけい)
1965年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、(株)ワコールに入社。3年間のサラリーマン時代を経て、91年に立川談志の18番目の弟子として入門。2000年に二つ目昇進、05年に真打昇進。数多くの独演会はもちろん、企業で「会話力」「コミュニケーション論」などのテーマで各種講演も行う。『大事なことはすべて立川談志に教わった』『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』など著書多数。
最新の著書『落語家直伝 うまい! 授業のつくりかた』(誠文堂新光社)が好評発売中。

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