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インタビュー 2019.08.29

【インタビュー】夏休みラストスパート!読書感想文を楽しい親子イベントに変えるための秘策をプロが伝授

投稿者: ノビルコ編集部

インタビュー その他(アート・学習) ニュース 作文 読書感想文

夏休みもいよいよ終了間近。まだ手つかずの宿題を前に、気が急いている小学生の保護者も多いだろう。夏休みの宿題の中で、自由研究と並んで親にも子にもハードルが高いものといえば「読書感想文」。

どうすれば上手く書ける? どうやって子どもに書き方を教えればいい? 2014年から毎年刊行されてきた人気シリーズ『読書感想文書き方ドリル』は今年で6年目に突入。「読書感想文の先生」としてTVなどでも注目されている大竹さんに、読書感想文に苦手意識を持つ親と子にこそ知ってほしいコツを聞いた。

 


 

東京や鎌倉のお寺で小学生向けの読書感想文教室を開催している思想家・教育家の大竹稽さんは、読書感想文に向き合う秘訣をこう語る。

正しい答えを書こうとしなくていい。大切なのは、その子なりの視点の見つけ方です

 

読書感想文を書くことで磨かれるスキルがある

 
――大竹さんはなぜ読書感想文の書き方を指導しようと思い立ったのでしょうか。

 

夏休みの読書感想文=“苦行”と捉えている人もいますよね。でも実はちょっとした工夫で、読書感想文はとても楽しいイベントに変えられるものなんです。夏休みという特別な時間の中で、親子で遊びながらちょっと視点を変えて取り組んでみたらできちゃった。そのためのコツを本と教室を通じてお伝えしています。

 

 
――やはりコンクール入賞などを目的に?

 

いえいえ、決してそんなことはありません。もちろん町や市の代表として全国コンクールを目指したい、というのであれば、そのための“型”は教えられます。

ただ、私がお伝えしたいのはもう少し広い視点から、読書感想文を“遊び”として捉えることの面白さです。実は人生においてとても積極的な価値を読書感想文は持っている。そんなメッセージを子どもたちや保護者の方々にお伝えしたいと思っています。

 
――読書の延長線上にあるのが読書感想文です。読み、書くことで得られる「価値」とは、具体的にどんなことでしょうか。

 

文科省的な答えで言うならば、まず読解力と思考力、それから書く作業によって表現力を伸ばすことができるようになります。たとえば、「あらすじ」をどう抜き出すかひとつにしても、読解力と要約する力が求められる。そこに僕なりの答えを付け足すならば、「人の意見を聞く力」も自然と身につくようになるんです。

僕は小学生に向けて読書感想文の書き方を教えるときは、「まずは、まわりの人とこの本について話してみようか」と提案しています。自分ひとりだけで考え込まずに、お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、お兄さんやお姉さんにも本を読んでもらい、感想を聞く。いろんな人の意見を聞いて、それをメモしてみよう、と言うんですね。

 

すぐ書き出すのはNG! 感想を話し合おう

 
――書き出す前に、人の意見を聞く。

 

はい。自分ひとりのものの見方ってどうしても限定的になってしまうんです。でも他の人の意見に耳を傾けて、自分の意見と比べると、視点の違いが浮かび上がってくる。何が心に引っかかるかは人それぞれでまったく違いますから。

「へえ、そういう考え方もあるんだ」と気づけば、子どもは自然と相手の意見を尊重できるようになる。読書感想文をきちんと考えて書く行為を通して、そういったスキルも自然と磨かれていきます。

たとえば、今年の課題図書には『ハチごはん』という本があります。これは岐阜県の郷土料理をテーマにしているのですが、実際にこのハチごはんを食べてみればいいんですよ。食べに行くのが難しいなら、市販品を探して買って家で食べてみてください。子どもはたいてい「まずい!」「気持ち悪い!」とか言い出すんですけど(笑)、お父さんとか大人が誰かがちょっと勇気を出して食べてみる。

 

 

そこを入り口に、身近なお年寄りに話を聞いてみると、虫を食べる習慣があった昔の食文化について話を聞けるかもしれない。それをスマホのレコーダーで録音して、あとでメモに起こして作文を組み立てれば、それだけですごく面白い読書感想文になりますよ。起承転結なんて考えずに、「『ハチごはん』を読んで食べに行ってきた!」から始めちゃえばいい。

僕が教室で教えるときは、「この本を読んで君が気になったところを一つ選ぼう」から始まって、いろんな話し合いを重ねていきます。そのとき大切なのは、親は決して否定しないこと。「なるほど!」「なんでそう思ったの?」とポジティブな声掛けで言葉を引き出してあげてください。

 
――上から引っ張り上げるのではなく、一緒に進んでいくイメージ?

 

その通り。大人がすべきことは、道がそれないように見守って、質問を続けること。そうやって土台を作りながら「この本を読んでどういうことがわかった?」とその子なりの視点をつくるサポートをしてあげてください。

 


 

大人が読んでも面白い上質な「課題図書」

 
――毎年の「課題図書」にはどんな傾向があるのでしょうか。

 

あくまで僕の推測ですが、時代を反映したテーマが必ず盛り込まれています。今年は、“目に見えない世界”。心ってどこにあるのかな、神様っているのかな、誰かを嫌いになったときの気持ちをどうすればいいかな…そういった目に見えない世界について気づき、考えさせられる作品が今年は多く選ばれていますね。

世界って自分の目に見えているものがすべてじゃない。それだけを信じると狭く終わっちゃうよ、というメッセージが込められているように思います。そういう意味では、今年の課題図書は哲学的で僕には面白かったですね。

ぜひ親子で対話しながら読んでみてください。読書感想文を一緒に考えて書くことは、きっと夏の楽しい思い出になるはずですから。

 
 

<取材・文/阿部花恵 撮影/川口宗道>

 
 

読書感想文書き方ドリル 2019

大竹 稽
ディスカヴァー・トゥエンティワン
1500円(税別)

 

お話をお聞きした人
大竹 稽
(おおたけ・けい)
思想家、教育家。(株)全コンカン東京大学理科三類に入学するも、医学に疑問を感じ退学。私塾を立ち上げた後、東大大学院でフランス思想を学ぶ。現在は東京・横浜・鎌倉で「てらてつ(お寺で哲学する)」、お寺での作文教室を開きながら、共悦・共生のテーマに挑んでいる。『超訳モンテーニュ』編訳をはじめ、『賢者の智慧の諸』など編著も手掛ける。

 
 

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