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インタビュー 2020.02.6

【インタビュー】世界7大教育法とは?その共通点とは?子ども自身に備わっている“生きる力”を親が潰さないために

投稿者: ノビルコ編集部

インタビュー ニュース


 

モンテッソーリ、シュタイナー、イエナプランにレッジョ・エミリア…。教育に関心を持つ親なら、ひとつくらいは耳にしたことがあるだろう。いずれも欧米では「オルタナティブ教育」と呼ばれる有名な教育法であり、日本でも選択肢のひとつとして注目が集まっている。

それぞれの教育を実践する現場を訪れ、長所はもちろん、マイナス面に思える要素についても触れている著書『世界7大教育法に学ぶ 才能あふれる子の育て方 最高の教科書』で率直に記した教育ジャーナリストのおおたとしまささん。

 


 

 

7つの教育法に共通する要素とは?

 
――『世界7大教育法に学ぶ 才能あふれる子の育て方 最高の教科書』では、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育をはじめ、学校教育のあり方に主眼を置いた5つの教育法が紹介されています、レッジョ・エミリア教育、ドルトンプラン教育、サドベリー教育、フレネ教育、イエナプラン教育、それぞれの学校現場を訪れて感じたマイナスの印象も率直に書かれていますね。

 

 

はい。学校側には当然嫌がられましたが、そこは読者の方に正直に届けないと意味がないだろう、と判断しました。どの教育法も、決して完璧ではないんですよ。ある視点からは有効かもしれないけれども、「これも果たして教育と呼べるのか?」「自然豊かな環境では得るものがあるだろうが、都市部で実践する意味はあるのか?」と首をかしげてしまうような場面も少なからずあって。

ただ、いずれの教育法にも共通している点もありました。それはその子が自分らしくいられて、かつ他人もそうであることを認められるという価値観です。そこはモンテッソーリ教育やシュタイナー教育と同じで、学力とかそういう視点は重要ではないんですね。

とはいえ、どの現場でも、やはり覚悟が定まった“プロ”の先生はすごい、と感じました。子どもへの接し方ひとつとっても、自分の全存在を目の前のこの子たちに向けます、という覚悟がひしひしと伝わってくるんです。単なる立場として「教師」をやっている人とはまったく違う。それは子どもたちも敏感に感じ取っていました。

 

親がすべての手札を揃えてあげてはいけない

 
――なるほど。そういった優れた先生との出会いを期待して学校を選ぶ保護者も大勢いそうです。

実際、取材を通して「○○教育の学校に入れるために一家で移住しました」という親御さんにもお会いました。ただ、そこまで親自身が教育熱心になってしまうことに対しては、僕は危ういと思っています。

親が頑張って情報収集することが大切だ、いい教育こそが子どもに与えられる財産だ、選択肢を広げることが親の役目だ…そんな風に考えてしまう気持ちはもちろん理解できます。でも、そういうことって言い出したらきりがないんですよ。

誰だってどこで生まれるかは選べないし、与えられた場所と条件の中で、ありあわせの持ち札を活かして使ってやっていくしかない。だからこそ、自分なりに工夫して手持ちのカードでなんとかやっていく術を学び取ることもできる。

最初からロイヤル・ストレート・フラッシュみたいな人生なんて、多分まったく面白くないですよ。何の工夫も要らないってことは、手応えもないわけだから。

いい教育を与える、いい学校に入れることこそが最善、そのためには親の人生を犠牲にしてもいい。そういうロジック自体を、親自身がまず疑ってみてほしい。何よりいずれは子ども自身が、思いも寄らないような“手札”を自力で見つけてくるはずですから。

 


 
――では、おおたさんが考える理想の親子関係とは?

子どもがある程度まで成長したら、「君にはこういう選択肢があるけど、どちらがいいと思う?」と相談しながら、どのカードを切っていくかを子どもの自主性に任せて選んでいく。そういう対等な関係性が一番いいのではないでしょうか。

真面目な親ほど、自分の人生を犠牲にしてまで子どもの手札を増やそうとする。でもそれはやっぱり親と子、双方によくない影響を及ぼすと思います。親は自分の人生を自分らしく生きることが大切。それが大前提だと思います。

 

 

教育法や名門校に過剰な期待を抱かない

 
――最新の著書『21世紀の「男の子」の親たちへ』でも、ジェンダー・AI時代・グローバル社会・自由という4つのテーマから、「男性中心の競争社会にもまれてきた親御さん」にメッセージを発しています。

今までの「男の子の子育て本」は、多くが「ママ向け」でしたよね。異性である男の子を、母親がどう理解して支えていくか、というスタンスがほとんどだったはず。でもこの本に関して言えば、マッチョなメンタル、いわゆる既存の枠組みで勝ってきた経験を持つパパにこそ読んでほしい、という気持ちがあります。

 
――流行の教育法、歴史ある名門校。いずれにも親は期待を寄せすぎるべきではない?

そうです。子どもが自ら育つ力に比べれば、教育の力なんてたかが知れています。どんなに素晴らしい教育環境や教育法が出てきても、すべての子がそこで伸びるわけではない。そういうものに過剰な期待を寄せるべきではないと思います。

 
――習いごとに関してもそうですね。過剰に詰め込みすぎると、子ども自身が本当にしたいこと、好きなことを自分で見つけ出せなくなるケースもあります。

そのうち、「ぼーっとする時間がは人生において大切。この教室では2時間、ぼーっとします」と提唱する教室ができて、そこにお金を払う親だって出てくるかもしれませんよ(笑)。

 
 

 
–前編「モンテッソーリ、シュタイナー。わが子に与えたい最高の教育法はどれなのか?」

 
 

<取材・文/阿部花恵 撮影/川口宗道>

 
 

過去のインタビュー

 
 

21世紀の「男の子」の親たちへ

おおたとしまさ
祥伝社 1500円(税別)

ジェンダー、民主主義、グローバル社会、AI時代。先行き不透明な時代を生きる「男の子」の親として、心得ておくべきポイントとは? 名門男子校のベテラン教師たちのアドバイスも満載。

 

お話をお聞きした人
おおたとしまさ
教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。東京外国語大学英米語学科中退、上智大学英語科卒業。リクルートを2005年に独立後、数々の育児誌・教育誌の監修・編集・執筆を担当。現在は育児・教育に関する執筆・講演活動を行う。近著に『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』『21世紀の「男の子」の親たちへ』がある。

 
 

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