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インタビュー 2021.05.24

【インタビュー】お金をかけなくても「学び」は後押しできる。IQ・EQよりも重視されるCQとは?

投稿者: 柳瀬敦

インタビュー ニュース 子育て

「努力よりも、好奇心のほうがずっと大事な時代になっている」

日本財団子どもサポートチームチームリーダー、そして教育イノベーターとして最先端の教育政策にも詳しい本山勝寛さんは、きっぱりとそう言い切る。

なぜ努力よりも好奇心のほうが価値があるのか?
お金をかけなくても後押しできる「学び」の形とは? 

ハーバード大学院で教育政策を研究した本山さんに、前編に続き話を聞いた。


 


 

子どもの弱みばかりに目が向いていないか?

――著書『好奇心を伸ばす子育て』では、国語・理科・体育・算数・社会と科目別に章立てして、日常の中でできる学びのヒントがさまざまな形で提案されています。

私は基本的には、お金をかけずとも子どもの「学び」を後押しすることは十分にできると思っています。自身の子ども時代を振り返ってもそうでしたし、ハーバード大学院時代に学んだ国内外の教育研究の成果、学術的なエビデンスを踏まえても、それから5人の子ども育てている実感としてもそうです。

わざわざお金をかけてたくさんの習いごとを詰め込まなくても、子どもが「没頭できる」場面は日常の中でも必ずあるはずです。虫を追いかけることが好きな子もいれば、絵を描くことが好きな子もいますよね。時間を忘れて熱中できる「のめりこみ体験」は、好奇心や知能を育ててくれます。

自分が好きなものを早いうちに特定できる子もいますが、そこは焦らなくても大丈夫。年齢が上がっていくうちに、好きなことが見えてくるタイプの子どももいますから。ひとつのことにこだわるよりは、いろんな遊びや学びの経験を積んでいくほうがいいと思います。

――子どもの弱い部分をフォローするよりも、没頭できる時間を増やしていくほうが成長につながる?

日本の親御さんを見ていて思うのは、自分の子の弱みばかりに目がいく傾向があるということ。わが子の苦手なこと、できないことばかりに目がいって、いい部分にはあまり注目しない親御さんが多い印象を受けます。

本来であれば、「弱みを自覚する」って大切な成長のプロセスでもあるんですよ。「自分はこれは苦手だ。でも、こっちなら得意だ」と強みを見つけることにも繋がっていきますから。

ただ、それはあくまで子ども自身が気づいていけばいい話であって、親がわざわざよその子と比べて弱みを指摘する必要はありません。親の役割は、子どもをよく観察して、いいところを見つけたら褒めて伸ばすこと。学びの観点から言えば、そのほうがずっと有意義です。

 

これからの時代にCQがなぜ大切なのか

――著書では、最近海外で注目されているのがCQ(Curiosity Quotient:好奇心指数)だと語られています。CQとはどんなものなのでしょうか。

CQとは、好奇心と創造性の高さを表す指数です。かつてはIQ(知能指数)が、少し前にはEQ(感情指数)が重視されていましたよね。

20世紀の教育では、「努力」に価値が置かれていました。受験勉強とは「答えがある問題に向き合う作業」であり、テストの点数を上げるためには、努力して解法をたくさん学んでいく必要があった。それが嫌でも苦手でも、とにかく努力して答えがあるものを導き出すことが求められた時代でした。

でも今の時代は、答えのない新しい問題がどんどん出てきて、好奇心を持ってそれに取り組むことのほうがずっと大切になってきている。「これってどういうことだろう?」という自発的な好奇心や熱意、自ら取り組む創造性のほうが必要とされています。

――努力よりも、好奇心が大切になってくる。

「努力できる」ということは普遍的に大切なこと。ですが、「努力できる」だけではもう足り得ない。正解よりも、“why(なぜ?)”を問われることのほうが圧倒的に多い。

だからこそ、好きなものを起点にして、そこから興味の範囲を広げていく学びのほうが、これからの時代には適していると僕は思います。好奇心は、自ら学び続けるための成長のエンジンですから。

 

学びの本番は、大人になってからこそ

――テクノロジーの変化が激しい時代だからこそ、常に問題は変化していく。そして問題自体をその都度、キャッチアップしていく能力が必要とされる。それは大人も同じかもしれませんね。

学校を卒業したら学びも終わる、と思い込んでいる大人が多いのも日本の特徴かもしれません。学校という半強制的に学びをサポートしてくれる場がなくなると、もう何も吸収しなくなってしまう。勉強だけでなく、スポーツもそういう側面がありますよね。

でも、本来ならば、そこからが本当の勝負なんですよ。自立した大人になってからでも、自分なりに好奇心のエンジンを動かし、いかに学び続けていけるか。それが人生の成功と呼ばれることにも繋がるはずですし、世俗的な勝ち負けとは関係なしに、広い意味での人生の豊かさを得ることにも繋がるはずです。

 
 

<取材・文/阿部花恵>

 
 

 
 

『自力でできる子になる 好奇心を伸ばす子育て』

本山勝寛
大和書房
1400円(税別)

大和書房
Amazon.co.jp
楽天ブックス

 

お話をお聞きした人
本山勝寛(もとやま・かつひろ)
日本財団子どもサポートチームチームリーダー兼人材開発チームチームリーダー。東京大学工学部システム創成学科知能社会システムコース卒業、ハーバード教育大学院国際教育政策修士課程修了。 小学校から高校まで地方の公立学校に通い、独学だけで東京大学、ハーバード大学院に合格する。アジア最大級の国際NGOである日本財団で、世界30カ国以上を訪問、教育事業などを手がける。5児の父。

 
 

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