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インタビュー 2019.10.8

【インタビュー】「英語教育は早期から」という思い込みはなぜ危険か。バイリンガルに憧れる前に、日本語をしっかり学ぶべき理由

投稿者: ノビルコ編集部

インタビュー ニュース 英語・英会話

「私には2人の孫がいますけど、どちらもごく普通の認可保育園に通わせていますよ。早期の英語教育? 一切してない。食育のほうがずっと大事よ(笑)」

英語学習と米国留学の現場をよく知る栄氏は、なぜ自身の孫には早期の英語教育をさせないのか? 英語習得の前に母語を学ぶことが必要な理由とは?

前編に続き、『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』著者で留学カウンセラーの栄氏に話を聞いた。

 


 

 

母語習得前の英語漬けは危険

 
――日本では早期英語教育が盛んですが、その重要性についてはどのようにお考えですか。

先程もお話しましたが、英語に親しむという意味では価値はあると思っています。ただ、私が懸念しているのは、日本語もしっかり学びきれていない年齢から、躍起になって子どもを英語漬けにすることの危険性です。

私は留学カウンセラーとして、これまで数え切れないほどの英語学習や留学、移住のパターンを見てきました。その中でも一番難しさを感じたのは、幼児から小学校低学年連れの子供を連れて一家で海外に駐在し、数年後に日本に帰国するケースです。

子どもは順応性が髙いからすぐに英語を話せるようになる。よく言われることですが、これは本当にそのとおりで、子どもはあっという間に英語に慣れて話せるようになります。

ただ、そうした生活を送るうちに、母語である日本語が消えていってしまう子どもは少なくありません。日本の小学校で1年生から6年生までに習う漢字の数は約1000字。中学生になると毎年300~400字ほど学習し、中学3年生の時点では常用漢字の「大体を読める」レベルに達することを目標とされています。

 

幼少期の海外滞在によるデメリット

 
――なるほど。幼少期を海外で過ごすことで、日本語の読み書きの大前提となる常用漢字を覚える機会が失われてしまう。

「英語さえペラペラになれば、日本語を話せなくなってもいい」「もう日本に戻るつもりはない」と割り切っているのなら、もちろんそれでもいいでしょう。すでに漢字が身についている大人にも影響はない。

ただ、数年後に帰国して日本の学校に入ったり、日本の企業に就職することも視野に入れているのなら、「漢字の読み書きができない」「語彙が少ない」まま大人になってしまう子どもたちは苦労します。

私の知り合いには「子どもが幼い頃に海外に移住した結果、日本語を学ぶのを億劫がってしまい、親子の会話が今では英語になってしまった」と嘆く人もいます。

私は、英語に限らず第二言語を習得するためには、幼少期に母語、すなわち日本語をしっかり学ぶことが重要だと思っています。

さまざまな言語を話せるようになるのは素晴らしいことですが、言語は一本の大きな木のようなものだとイメージしてください。太い幹があって、そこからいくつもの枝が伸び、葉が茂る。この太い幹こそが母語。母語がしっかり育ってはじめて、枝のぐんぐん伸びるようになるのです。

 

 

何歳からでもバイリンガルは目指せる

 
――ではわが子をバイリンガルにさせるために、親は何ができるでしょうか。

私の研究所には10代はもちろん、30代、40代から英語力を磨いてバイリンガルになった人たちが大勢いますよ。出身地も経歴もさまざまですし、帰国子女でもなければ、英語教室の経験がない人もいます。

そんな彼らがなぜ英語を話せるようになるのか? それは自分の「伝えたいこと」「やりたいこと」ことが明確になって、そのために英語が必要なツールとなるからです。

英語圏だからこそ学べることがある、行きたい大学がある、キャリアの武器にしたい…そういった明確なゴールは、英語を学ぶ上での強力なエンジンになります。

 
――「やりたいことを叶えるため」という明確な目標があれば、いくつからでもバイリンガルにはなれますか?

必ずなれます。コミュニケーションで大切なことは、ネイティブ並みの発音ではなく、「自分は英語で何を伝えることができるのか」ですから。そしてそれは、子ども自身が成長した後に見つけるものではないでしょうか。

 
 

――後編では幼児期の英語漬けが危険な理由や、英語学習のためのポイントについても、詳しくお聞きします!

 
 
<取材・文/阿部花恵 撮影/川口宗道>

 
 

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子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!

栄陽子
扶桑社 1,300円(税別)

 

お話をお聞きした人
栄陽子
(さかえ・ようこ)
留学カウンセラー。栄陽子留学研究所所長。米ティール大学名誉博士。1970年、帝塚山大学卒業。71年、米セントラルミシガン大学抱く外杭ん教育学修士課程修了。72年、栄陽子留学研究所設立。エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリットなど受賞多数。米国留学のプロとして50冊以上の著書を持つ。

 
 

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