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インタビュー 2018.07.5

「人より先に失敗する」ことに価値がある今の時代。子供の意見を引き出すために保護者がすべき声掛けとは?

投稿者: ノビルコ スタッフ

インタビュー コラム ニュース

 

学校でも習い事の場でも、間違えることや失敗を嫌がったり、恥ずかしがったりして投げ出す子どもは少なくない。では、そんな子どもたちを「失敗しても粘り強く物事に取り組める子」に変えるために、保護者はどんな声掛けをすればいいのだろう?

「問題解決能力」を高める子ども向けの塾を立ち上げた学習塾ロジム代表・苅野進さんは、「子どもの△の意見を大人がしっかり評価することが大切」と語る。実際にロジムで行われている授業のエッセンスから、「粘り強い子」を育てるための秘訣を聞いた。

 

「見たことのない問題」にどう取り組むか

――学習塾ロジムでは具体的にどのような授業が行われているのでしょう。

 

低学年向けの授業は120分で、2つのパートにわかれています。最初は「わからないけれどもトライしてみよう」というゲーム。数字をあてはめたり、未来を予想したりするゲームをやります。これをうちの塾では「フラッシュ」「ゲーム」と呼んでいます。

後半は「レクチャー」の時間です。前半のゲームでいろいろ好き勝手に試してみたけれど、そこから学べること、言えそうなことってなんなんだろう? というのをじっくり分析する。

前半のインタビューでは主にロジカルシンキングについてお話しましたが、私たちが今、積極的に伝えているのは、「子どもの問題解決能力を上げましょう」ということ。その手段のひとつとしてロジカルシンキングというスキルがある、という位置づけです。

 

――この場合の「問題解決能力」は、出題された問いを解く学力とは別物ですか?

 

受験対策に特化した学習塾では、点を取るテクニックを習得して高得点を取る、というスタンスですよね。塾の先生が必死に見つけた問題解決のテクニックを、生徒たちが真似して点を取るのが正解だった。誰かが解いた問題を、誰かが解いた方法で解く。

見たことがある問題と見たことがない問題に分けましょう、見たことがある問題は教わったスキームをあてはめましょう。今までの「問題解決能力」は、これに尽きるんです。

 

 

しかしその能力のためだけに「学習」の時間を割いていてもよいのでしょうか? 本当に人生に必要な能力、これからの時代に必要とされる能力って、もはやそういうものだけではないですよね? 

たとえ解決できなかったとしても誰よりも先に問題を発見して、トライをして、こんな結果が出せた。そういう失敗例に価値がある時代になってきているんですね。

 

〇でも×でもない、△の意見に価値がある

――見たことのない問題に向き合う力や、問いを設定する力こそが重要な時代になりつつある、ということですね。ただ、「間違える」ことが「恥ずかしい」「怖い」という子どもも少なくありません。ロジムではどのようにフォローしているのでしょう。

 

「間違えたらいやだ」という感情はこどもにとって非常に重要です。ただ、その感情をどうほぐすかっていう方法はシンプルなんですよ。

つまり、〇と×しかない世界で生きているこどもたちが、△に価値を見出すこと。おとなたちが△の意見をしっかり評価してあげることが、非常に有効なんです。

 

――〇でも×でもない、△の意見に価値がある?

 

小学校の授業って、基本的にわかっている問題にだけ手を挙げて、答えて、「正解」という雰囲気なんですよ。

ですから子どもたち自身は、0点ではないけど100点でもないな、って意見を発言することに価値があるとあまり思っていないんですね。とくに「〜がわからない」「私は〜思う」という発言です。

 

 

でも海外の小学校の授業を見ると、先生が「いい質問だね」「いい意見だね」と接頭語のように言うのが普通のこと。地味ですがひとつひとつ評価をして勇気づけてあげることで子どもの姿勢は確実にかわっていきます。

これは塾業界でよく言われていることですが、一番発言をしない子って、一番わかっていないんですね。もちろん成績も伸びない。

ですからロジムでは、△を評価する教室の雰囲気づくりをすごく大事にしています。例えば、低学年なら質問の発言でシールをもらえるようにして、質問回数自体を評価にする。子どもたちが成熟していない限りは、点数での評価はしないほうがよいのです。

 

「人より先に、うまく失敗する力」が重要になる

――質問することがポジティブに受け止められると、どんどん疑問が湧いて、問題にも自発的に取り組めるようになる?

 

間違いなく、そうなります。「粘り強い子」って、メンタルが強いとか我慢強いとかではないんですよ。そうではなくて、粘っている間に「進んでいる」、という感触があるから、色々な方法を試すことができるんです。確実に前進している実感があって、ゴールが見えていれば、粘り強くなれるんですね。

実際の成功体験が少ないこどもでもトライをするときの姿勢、メンタルの部分を褒めてもらえれば、試行錯誤の成功体験として粘り強さの土台になるのです。

 

――最後に、苅野さんがこれからの時代を生き抜くために、重要だと考えるスキルを教えてください。

 

「人より先に、上手く失敗する力」だと思います。人より先にトライしていること自体がまず重要だし、「どう失敗したのか」という情報って他人がすごく欲しがるんですよ。これはどんな組織・業界でも同じです。

 
<取材・文/阿部花恵>

 

苅野進さん インタビュー

前編 なぜ小学生のうちに「論理的思考」を身につけたほうがいいの? 学習塾ロジム塾長が語る論理の有用性

 
 

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お話をお聞きした人
苅野進(かりの・しん)
東京大学文学部卒業後、経営コンサルティング会社を経て、2004年に「学習塾ロジム」を設立。コンサルタント時代には、社会人向けのロジカルシンキングの研修・指導も担当。「自ら問題を設定し、試行錯誤しながら前進する力を養うことこそ教育の最も重要課題である」という考えから、小学生から高校生を対象にした論理的思考力・問題解決力をテーマにした講座を開講している。著書に『小学生からのロジカルシンキング』(SBクリエイティブ)など。

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